白川村(岐阜) オゾウゾ山(1085.2m) 2022年4月10日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:03 送電線巡視路入口−−4:10 尾根に乗る−−4:15 送電鉄塔(2本)−−4:42 送電鉄塔(標高710m)−−−5:01 送電鉄塔(標高810m)−−5:42 オゾウゾ山 5:45−−6:01 送電鉄塔(標高810m)−−6:08 送電鉄塔(標高710m)−−6:20 送電鉄塔(2本)−−6:23 尾根を外れる−−6:26 送電線巡視路入口

場所岐阜県大野郡白川村
年月日2022年4月10日 日帰り
天候快晴
山行種類残雪期の籔山
交通手段マイカー
駐車場送電線巡視路入口付近の路側に駐車
登山道の有無送電鉄塔までは巡視路あり。その後は無し
籔の有無残雪に埋もれて無し
危険個所の有無2つめの送電鉄塔上部が急な残雪で、万が一滑った場合は谷底へ一直線
冬装備アイゼン、軽ピッケル
山頂の展望猿ヶ馬場山、白山方面に開ける
GPSトラックログ
(GPX形式)
ここをクリックしてダウンロード
コメント北東尾根から往復。尾根末端付近に送電線巡視路入口があり最後の送電鉄塔までは巡視路利用可。その後は道は無いと思われるが雪が消えた限られた面積を見た限りでは無雪期の藪は薄そうだった。山頂は南側の展望がいい




路側に駐車、交通量はほぼゼロ 送電線巡視路入口
標高440mで尾根に乗る 最初の送電鉄塔。2本接近して立っている
標高600m付近。残雪はまだ一時的 標高700m付近で3本目の送電鉄塔
標高730m付近の梯子 標高800m付近で4本目の送電鉄塔。巡視路はここまで
標高900m付近。地面に藪は見られない 標高950m付近
標高950m付近から見た人形山 古いスノーシュー跡
標高1020m付近 標高1030m付近。ヤドリギだらけ
標高1050m付近 標高1060m付近。藪は薄い
灌木藪を刈った跡 オゾウゾ山山頂
オゾウゾ山から見た360度パノラマ展望(クリックで拡大)
オゾウゾ山から見た猿ヶ馬場山〜白山、国見山
オゾウゾ山から見た野谷荘司山〜白山〜国見山
オゾウゾ山から見た国見山〜仙人窟岳〜笈ヶ岳〜大笠山
オゾウゾ山から見たタカンボウ山 標高1030m付近から見た南東尾根
尾根上には目印が点在 標高970m付近から見たタカンボウ山
標高830m付近から見た庄川下流方向 標高810m付近から見た大滝山
標高730m付近 今シーズン初めて見た開花したイワウチワ
3本目の送電鉄塔 成出ダム
3本目の送電鉄塔から4本目の送電鉄塔を見上げる 標高650m付近
2本目&1本目の送電鉄塔。コロナ放電の音がしていた 標高470m付近
標高420m付近 送電線巡視路入口
駐車箇所


 岐阜県の地形図記載の山はおそらく半分以上登っていると思うが、県北部で唯一の未踏がオゾウゾ山であった。登るのが難しいわけではなく中途半端な山であることが主原因だ。標高差はおよそ700mであり1日かけて登るのは軽すぎるし、2日目に登るにしてはちときついことと、長野から距離が遠いので週末2日目にここに登ると帰りが遅くなるのがイヤであった。

 今回は前日がタカンボウ山でこれまた中途半端な体力&所要時間の山で、1日でこの1山しか登らなかったので休憩は長時間取れたため、当日は暗い時刻から登って早朝に下山して帰る段取りとした。

 オウゾウ山はネットで調べた感じでは道は無いが藪はそれほど深くないようで無雪期にも登られているが、残雪期の今の方が苦労は少ないだろう。それに岐阜のこの界隈で唯一の未踏峰は早く片付けてすっきりしたい。

 オゾウゾ山にはタカンボウ山のように中腹に送電線が通っているので、そこまでは巡視路が利用できる。巡視路入口はどうやら国道から成出ダム方面に入った所にあるようだ。国道から脇道に入ると200m程で巡視路入口を発見。斜面には残雪があり巡視路が埋もれてどのように道が付いているのか分からなかったが、適当に上を目指して尾根に乗れば巡視路と合流するだろう。

 前日の日中はこの付近の日影で長時間休養し睡眠不足も解消。この車道は成出ダムでどん詰まりなので出入りする車はダムの関係者のみであった。夕方5時過ぎに軽トラが上がっていき、すぐにそれまで駐車していた白い車が下りてきたのでシフト要員の交代だったのだろう。

 翌朝は冷え込みは弱く車内の気温は+8℃近くあった。簡単な朝飯を食ってまだ暗い中をLEDライトを点灯して出発。昨日同様にワカンは持たず、今回は途中の傾斜がきついので10本爪アイゼンと軽ピッケルを持った。

 巡視路入口には杉があるがまだ花粉は飛んでいないのか、それとも既に花粉のピークはは終わったのか、目の痒みはそれほど感じなかった。杉は車道付近だけでその後は自然林に変わる。残雪で入口付近から巡視路は分からないが適当に上を目指し、傾斜がきつくなって緩い左手に移動するとジグザグ型に残雪があり、これが巡視路の道型だった。周囲の藪はほぼ無いので巡視路を伝う必要はないが、道が分かれば安心材料にはなる。

 少しの登りで南西〜北東に延びる大きな尾根に乗り、以降は尾根を南西へと登っていく。タカンボウ山では最初から雪があってほぼ続いたが、こちらは尾根に乗ってからはほとんど雪は無く巡視路を登っていく。僅かな距離の差でこれだけ雪の量が異なるのは地形的要因だろうか。

 すぐに最初の送電鉄塔が並んで登場。耳を澄ませると「ジー」という音が頭上から聞こえていたが、これは送電線のコロナ放電だろう。送電線の電圧は高いので碍子表面が汚れて絶縁が弱まっていたり、電線部分に角のような突起があるとその部分の電界が強くなって空気の絶縁を突破して電気が逃げるのだ。もしかしたらよく見れば青いボーっとした光が見えたかもしれないが、そこまで気にしなかった。送電鉄塔が立つ場所は樹林が伐採され開けているので、昨日登ったカタンボウ山が良く見えていた。

 次の送電鉄塔の下の方、標高660m付近から傾斜が急になり、鉄製の階段も登場する。まだ残雪は断続的でほとんどは地面の上を歩く。しかし3本目の送電鉄塔を過ぎると残雪の量が増えて特に鉄塔直上では傾斜がきつく、階段があるが雪に埋もれて使えない状態であった。ここは滑ると南側の急な谷に滑落してしまうため、巡視路を僅かに外れて残雪の境界を灌木に掴まりながら通過した。今回のコースでここが唯一の危険個所であった。ただし、アイゼン、ピッケルを使えば安全に通過できるだろう。今回は面倒なので登りではそれらは使わなかった。

 この危険個所を越えればほぼ雪が連続するようになる。傾斜は多少緩まったがそこそこの斜度が続き。雪質によっては登山靴のエッジがあまり効かないほど締った区間もあり、アイゼンを履くことにする。これで足の置き方は適当でも滑ることはなくなった。先週の重い12本爪とは違って10本爪でも軽量なので足への負荷はほとんど感じないが、10本爪の割にはグリップは弱く、12本爪と比較すれば雲泥の差がある。

 標高810mで4本目の送電線が登場。ここで送電線巡視路はおしまいだが、広く残雪が覆って道が無くても問題ない状態で一安心。ただし、少なくともこの付近では無雪期でも藪は薄いようだ。標高850m付近から上部は傾斜が緩んで尾根幅が広がる。こんな地形は登りはいいが下りは要注意だろう。今回は往路の自分の足跡があったのでルート確認は簡単だったが、無雪期は注意が必要だろう。雪質は気温は高いのに昨日より締っているような気がするが、昨日の高温で雪解けが結構進んだのかもしれない。こんな山の中でも最高気温は+20℃を越えていただろう。植生はブナが中心の落葉広葉樹林だ。ブナにはヤドリギのこんもりした塊が多数見られた。

 標高970m付近では古いスノーシュー跡が登場。昨日のタカンボウ山と同様で、雪解けが進んでその形跡はほとんど分からなかった。でも微かでも跡が残っているということは1週間程度前の物だろうか?

 標高1000mを越えるとさらに傾斜が緩む。山頂直下では一時的に残雪量が減って尾根周囲の植生が見えていたが、思いのほか藪は薄く無雪期でも全く問題なさそうだった。しかも尾根上の灌木を刈り払った形跡があり、本格的ではないにしろ人の手が入ったことがあるのは間違いない。

 傾斜が無くなるとオゾウゾ山山頂に到着。昨日のタカンボウ山と違って明瞭なピークであったが、山頂標識はここにも無かった。山頂も背の高いブナが多く大展望とはいかないが、それでも白山方面の見晴らしは得られ、昨年登った野谷荘司山〜仙人窟岳、笈ヶ岳などが見えていた。

昨日リセットがかかってしまった腕時計を確認すると、登りの所要時間は予想外に2時間を切っており、雪がある割には時間がかからなかった。これなら下りは雪を利用して1時間程度だろう。実際には下りは40分しかかからなかった。これは残雪があったからで無雪期に普通に歩いたのではこんな時間で下るのは不可能だろう。

 帰りは往路を戻る。下りは雪が途切れるまでアイゼンを装着したままだったので、危険個所も安心して通過できた。

 車に戻って着替えを済ませて出発した時刻はまだ7時前で、普通はこれから遊びに出かける時間だがこちらはもうお帰りの時間。白川郷ICで東海北陸道に乗って高山、安房トンネル経由で自宅に戻るまでの所要時間は4時間を切っており、白川郷や五箇山は高山経由の方が早いことが分かった。次回からそうしよう。

 

都道府県別2000m未満山行記録リスト

 

日付順2000m未満山行記録リスト

 

ホームページトップ